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最終更新日:平成25年5月23日
環境省
水質環境基準(健康項目)や要監視項目、要調査項目の設定方法に関する検討を行うと共に、それらの区分ごとの合理的な管理手法(水質モニタリングのあり方等)について検討を行った。
また、水質汚濁防止法の一部改正に伴い新たに位置づけられた「指定物質(※もっぱら事故時の措置の対象となる物質)」の選定について検討を行った。
【判定フローの概略】
過去の審議会答申等に基づく項目(物質)ごとの評価手順や判断基準を一般化し、水道水質基準の設定等の動向も踏まえつつ、今後の水質環境基準(健康項目)等の位置づけを検討するための判定フローを試行的に構築した。
前記の判定フローを20余りの項目(物質)に適用し、その位置づけについて試行的な評価を行った。それと並行し、専門家判断を基本とする評価も行って、判定フローによる評価結果と比較し、それらの有効性について検討を行った。
国内外の動向等を踏まえ、位置づけや基準値の見直し等を優先的に行うべき物質を選定する判断基準(検討の遡上に載せるための条件)について、過去の審議会答申等との整合も考慮して取りまとめた。
また、その具体的な問題として、カドミウムやトリクロロエチレンの基準値の見直しや、「パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びその塩」のを要監視項目に追加する必要性や指針値設定の可能性について検討した。基準値等の設定については、海外における事例などを参考にして、複数の曝露経路からの摂取を想定し、水を経由した曝露の寄与率を合理的に設定する手法や、生物蓄積性も考慮して値を設定する可能性、及びそれらに付随する技術的な問題点について、過去の審議会答申等との整合も考慮して幅広く検討した。
国内外における化学物質の法規制等の状況や取り扱い状況、毒性情報などの背景情報に基づき、新たな要調査項目リスト(案)を作成した。
【分類化による管理の差別化の案】
過去10年あまりの水質モニタリングにおけるデータ蓄積の状況を踏まえると、数百物質に及ぶ要調査項目の水質モニタリングを十分な規模で実施することは容易ではなく、そのモニタリングデータに基づく物質の評価に実効性が期待できないとの問題提起を行った。
その問題意識を踏まえ、新たな要調査項目のうち、主要なものを選定して水質モニタリングを重点的に行うことを提案すると共に、今後の要調査項目の評価の枠組みを提案した。
【農薬排出量の推計の概要】
農薬に係る都道府県別・適用対象別・月別の排出量を推計すると共に、その河川への流出率等も考慮して農薬の特徴(水環境中での検出の偏在性)を整理した。
その結果を踏まえ、また既存の農薬管理の枠組み(他法令との関係等)も考慮し、水環境における農薬管理のあり方やその評価手法について包括的な検討を行った。
農薬の管理手法や評価手法に係る検討結果を踏まえ、常時監視を中心とする農薬の水質監視に係る問題点を抽出すると共に、学識経験者や都道府県の担当者へのヒアリング調査等を実施し、今後の農薬の水質監視のあり方について検討を行った。
水質汚濁防止法の一部改正(平成22年5月10日公布)において、「事故時の措置」を講ずべき物質として、既存の「有害物質」と「油」の他に、新たに「指定物質」の規定が設けられた。そこで、指定物質として選定すべき物質について、選定の考え方や選定方法等を整理し、物質リスト(案)として取りまとめを行った。
選定方法の概念図を下図に示す。
【「事故時の措置」の対象物質リスト(案)の選定方法(イメージ)】